あるクライアントさんの話です。
博多で製造業をされている方なのですが、求人にコストがかかりすぎているという話を受けました。
どうも採用単価が30万円を超えているらしいのですが、本人としても「人材難の時代だし仕方ないな」という気持ちと「でも30万円はかかりすぎだろ」という気持ちの狭間で揺れ動いていたんですね。
なので「改善したいならアイデアを出し合ってみようじゃないか!」ということで、少し話を重ねてみたんです。
コストカットが望める求人方法
その方は、確かにいろんな方法で求人を出していました。
職業案内所だとか人材派遣、マッチングサイトなど、ありとあらゆるところで露出するように気を配られてたんですね。
ですが、有名なある手法だけはやってなかったんです。
なんなのかというと、「お試しからの吊り上げ」なんですね。
吊り上げとかいっちゃうと表現が悪いかもしれないんですが^^;、要は最初は軽めに体験してもらって、興味があれば入社してもらうという流れです。
例えば、ワークショップなんかがわかりやすいかもしれません。
精肉店をやっているとして、社員を募集したいと考えていたとします。その場合、最初は多くの人が興味を持ちそうなことをオファーするんですね。
そうですね、、、「牛肉の解体作業ワークショップ」とかどうでしょう。
まずはそうやって仕事に興味を持ってもらいます(もちろん参加費を受け取っても構いません)。そこで住所や連絡先をしっかり受け取っておいて、興味がある人にはさらにグレードの高いワークショップに参加してもらうんですね(ここでも参加費を受け取っても構いません)。
で、そこでも興味を持ってもらえたら、バイトのオファーをしたり入社の話を持ちかけてみるという寸法です。
コストカットの代償
ですが、この方法には1つ注意点がございます。
それは「ソーヤー効果」と呼ばれるものなんですね。
ソーヤー効果っていうのは、あの有名なトム・ソーヤーの冒険から生まれた心理効果です。どういうものかというと、人は「別にやらなくていいもの」であれば、ノリノリで楽しくできるが、「やらなければならないもの」になると、急に億劫になるというモノなんです。
つまり、自分に責任がなくて、自由にやってもいいものなら思いきり楽しめるけど、報酬を受け取る代価として労働を差し出すとなると、気が重くなるということなんですね。
言ってしまうと、動機付けが「内発的なのか」または「外発的なのか」の違いです。
内発的だと、「やってみたい!」という欲求からスタートしますんで、持続しやすくなります。ですが外発的だと、「コレをあげるからアレをしてください」となります。
瞬間的にやる気を出させるのが目的であれば、外発的動機付けも使えるのですが、モチベーションを持続させたいのであれば、ちょっと問題があります。
ワークショップなどといった、イベントから吊り上げを考えられているのであれば、この「ソーヤー効果」も注意してみてはいかがでしょう?
ありがとうございました!